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ホットペッパー脱却を考える美容室が、最初にやるべきこと — 公開データで見る「やめる前」の準備

掲載をやめたいけれど踏み切れない、というお声を美容室のオーナー様からよく伺います。リクルートの公開調査をもとに、掲載をやめると実際に何を手放すことになるのか、そして順番として何から手をつけるべきかを整理しました。

執筆: 水野亮人

「そろそろ掲載をやめたい」というお話を、美容室のオーナー様から伺うことが増えました。掲載費が重い、クーポン目当てのお客様が多く単価が上がらない、値引きしないと新規が入らない。理由はさまざまですが、共通しているのは「このまま続けても消耗するだけではないか」という感覚だと思います。

一方で、踏み切れないのも当然です。掲載をやめた瞬間に予約が止まったらどうするのか。この記事では、リクルートが公開している調査データをもとに、掲載をやめると実際に何を手放すことになるのかを確認したうえで、順番として何から手をつけるべきかを整理します。結論から言えば、いきなり「やめる」判断をする前に、やっておくべき準備が2つあります。

掲載をやめると、手放すものは1つではない

株式会社リクルート ホットペッパービューティーアカデミーの「美容センサス2025年上期」(2025年6月26日発表)に、判断材料になる数字があります。この調査は全国、人口20万人以上の都市に居住する15〜69歳の男女を対象に、女性・男性 各6,600サンプルで実施されたインターネット調査です(調査実施期間は2025年1月27日〜2月12日)。以下は美容室利用者の女性ベース(n=5,226)の数値です。

手放すもの① 新規のお客様が店を知る経路

「現在使っているサロンを知ったきっかけ・情報源」を聞いた設問では、「予約・口コミサイト(ホットペッパービューティーなど)」が36.0%で最多でした。「友人・知人の口コミ・おススメを聞いて」の21.4%を上回っています。年代別に見ると20代で44.0%、30代で46.3%と、若い層ほど比率が高くなります。

これは想像しやすい部分だと思います。掲載をやめれば、新規の入口が1つ減ります。

手放すもの② 既存のお客様が通い続けている理由

見落とされやすいのはこちらです。同じ調査で「現在使っているサロンを継続利用している理由」を聞いた設問では、最も高かったのは「ネット予約できる」で36.8%でした。「自宅から近い」の31.6%を上回っています。20代・30代ではそれぞれ47.5%と、半数近くに達します。

つまり掲載は、新規を連れてくる看板であると同時に、既に通ってくださっているお客様にとっての「予約する場所」でもあるということです。掲載をやめるという判断は、集客をやめる判断であると同時に、予約の受け皿をなくす判断でもあります。ここを分けて考えないまま止めてしまうと、新規が減るだけでなく、常連のお客様の予約導線まで一緒に消えてしまいます。

「やめる」ではなく「依存度を下げる」と考える

この2つを踏まえると、取るべき順序が見えてきます。掲載を止めるかどうかは最後の判断であって、最初にやることではありません。先に、掲載がなくても回る部分を作っておく。そのうえで、掲載への依存度を少しずつ下げていく。順番が逆になると、売上が落ちてから慌てて掲載を戻すことになり、条件面でも不利になります。

準備として先にやるべきことは、次の2つです。

準備① 自店で予約を受けられる導線を先に用意する

同じ調査では、過去1年のサロン予約方法として「ネット予約・計」が59.2%、「電話をして予約」は21.0%(前年比2.6ポイント減)で年々減少しています。ネット予約は20代で75.8%、30代で72.6%と7割を超えます。

この状況で「掲載をやめたので今後はお電話で」とお願いするのは、お客様に負担を移すことになります。予約サイト経由をやめるなら、その前に自店のネット予約を用意しておく必要があります。自店サイトの予約フォーム、予約管理サービス、LINEからの予約など手段はいくつかありますが、重要なのは「掲載を止める前に動いている状態にしておく」ことです。

あわせて確認しておきたいのが、いま使っている予約管理システムと掲載の関係です。掲載を止めたときに予約管理や顧客データがどう扱われるのかは、契約内容によって変わります。公式の掲載案内ページにも料金や条件の詳細は書かれていないため、営業担当に直接確認するのが確実です。

準備② 「誰が何回来ているか」を自分の手元に持つ

もう1つが、常連さんの把握です。同じ調査で「サロンの使い分け」を聞いた設問では、「基本的に1つのサロンを使い続けている」が68.0%で最多でした。つまり、多くのお客様はもともと1つの店に定着する行動を取っています。常連がいないのではなく、誰が常連なのかをお店側が把握できていないケースのほうが多いのだと思います。

掲載媒体の管理画面に顧客情報が溜まっている場合、それは媒体の中にあるデータです。掲載をやめたあとに何をどこまで参照できるのかは、事前に確認しておくべき項目です。少なくとも「誰が、どのくらいの頻度で来ているか」だけは、媒体とは別に自分の手元で分かる状態にしておくと、掲載を止める判断がしやすくなります。

なお、新規のお客様が2回目につながらない構造そのものについては、公開されている消費者調査とPOSデータをもとに別の記事で整理しています。お知らせ一覧の美容室・サロン向けの記事からご覧いただけます。

やってはいけない順序

  • 自店の予約導線を用意しないまま、先に掲載を止める
  • 常連さんの連絡先や来店頻度を手元に持たないまま、掲載を止める
  • 「掲載をやめます」とだけ告知し、次にどこから予約すればよいかを伝えない
  • 繁忙期に止める(落ち込みが掲載停止によるものか季節要因か分からなくなります)

特に最後は見落とされがちです。止めるなら、比較できる時期を選んだほうが判断を誤りません。

TAGPPI でできること・できないこと

ここまでの準備②、つまり「誰が何回来ているか」を自分の手元に持つ部分に、TAGPPI は使えます。ただし、できないことのほうを先に書きます。

  • ネット予約の受付はできません。予約機能は実装していません
  • 新規集客の機能もありません。お店を見つけてもらう仕組みではありません
  • お客様への一斉配信もできません

掲載の代わりになるサービスではない、ということです。リクルートの「サロンボード」は公式ページで「予約管理、顧客管理、リピート販促、レジ、分析までカバー」と説明されており、TAGPPI はそれを置き換えるものではありません。

TAGPPI ができるのは、お客様にお渡ししたキーホルダーを会員証として使っていただくことです。アプリのインストールも会員登録も不要で、お客様がご自分のスマートフォンにタッチすると会員ページが開きます。

  • 会員ページの表示(無料プランでもご利用いただけます)
  • 会計時などにお店のスマートフォンへタッチしてポイントを加算(Business プランの機能です)
  • 加算した記録は「日時・会員名・増減・理由」の一覧として残ります(直近 50 件を表示。同じく Business プラン)
  • 会員一覧では、各会員のポイント残高と登録日を確認できます
  • 貯まったポイントに応じた特典や、クーポン画像の発行

来店として記録されるのは、お店の端末にタッチしてポイントを加算した時点です。お客様がご自分のスマートフォンでタッチした場合は会員ページが開くだけで、記録は残りません。ここは誤解されやすいので、あらかじめご確認ください。

もう1点、正確にお伝えしておきます。記録は残りますが、「この方は過去に何回来ているか」「最後に来たのはいつか」を会員ごとに集計して表示する画面は、現時点ではありません。会員一覧に出るのはポイント残高と登録日で、来店の記録は店舗全体の履歴として直近 50 件が時系列で並びます。準備②で挙げた「誰が何回来ているか」を厳密に管理したい場合は、この点をご確認のうえ判断してください。

TAGPPI が向かないケース

  • 新規のお客様の数そのものを増やしたい場合。集客の手段ではないため、掲載や広告の代わりにはなりません
  • 予約管理まで一本化したい場合。予約は別のサービスが必要です
  • 会員ごとの来店回数や最終来店日を一覧で管理したい場合。現時点ではその集計画面がありません
  • 客層の多くがスマートフォンを持っていない場合。会員ページはスマートフォンで開く前提です
  • 来店が年に1回程度の場合。ポイントが貯まる前に間隔が空き、会員証としての意味が薄くなります
  • すでに自社アプリが定着していて、お客様が問題なく使えている場合

まとめ

掲載をやめるかどうかは、掲載の是非ではなく準備の問題だと考えています。公開データを見る限り、掲載は新規の入口であると同時に、既存客の継続理由(ネット予約)にもなっています。だからこそ、先に自店の予約導線を用意し、常連さんを自分の手元で把握できる状態を作る。この2つが済んで初めて、止めるかどうかを数字で判断できるようになります。

TAGPPI が担えるのは後者の一部だけです。それでも「誰が何回来ているか」が自分の手元にあるだけで、判断の材料はかなり変わります。無料プランで会員ページの体験までは試せますので、まずは実際の見え方をご確認いただければと思います。

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