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電子スタンプカードにアプリは必須? アプリ不要で使える会員証の選び方

電子スタンプカードを検討すると必ずぶつかる「アプリを入れてもらえるか」という壁。公開されている調査データをもとに、アプリは入れてもらった後に使われなくなりやすいという実態と、アプリを使わない選択肢(LINE型・QR登録型・NFC型)の違いを整理し、お店に合った選び方を考えます。

執筆: 水野亮人

「アプリを入れてもらえない」という悩み

電子スタンプカードの導入を検討していると、「結局アプリを入れてもらえるかどうか」という壁にぶつかる、というお話をよく伺います。せっかく仕組みを整えても、お客様がスマホにアプリを入れてくれなければ、何も始まりません。

この記事では、「電子スタンプカードにアプリは本当に必須なのか」という疑問に、できるだけ客観的なデータをもとにお答えします。結論を先に言うと、アプリが必須の仕組みと、アプリなしで完結する仕組みの両方が存在します。それぞれの向き不向きを整理していきます。

アプリは「入れてもらう」より「使い続けてもらう」が難しい

アプリを入れてもらえるかどうかの前に、そもそもアプリがどれくらい使われ続けているのか、公開されている調査データを見てみます。

株式会社アイリッジが2022年7月に実施した調査(15〜69歳の男女442人が対象)によると、スマートフォンアプリをダウンロード後7日以内に削除した経験がある人は約62%にのぼると報告されています。「とりあえず入れてみたけれど、結局使わなかった」という経験は、多くの方に心当たりがあるはずです。

この調査はアプリ全般を対象にしたもので、店舗公式アプリに限った数字ではありません。ただ、来店のたびにクーポンを確認するなど日常的に開く理由がなければ、店舗公式アプリも同じ経過をたどりやすいと考えられます。「アプリを入れてください」というお願いは、お客様にとって「このお店のためだけに、スマホの容量と通知の枠を割く」という判断を迫ることになります。

アプリで成功しているお店も、もちろんあります

ここで公平に触れておきたいのですが、店舗アプリがうまく機能している例も実際にあります。Repro株式会社が2024年1月に実施した調査(スーパー・コンビニ・ドラッグストアのアプリ利用経験者633人が対象)では、アプリインストール後に「来店や購入頻度が増えた」と回答した人が40.4%にのぼりました。ただしこれは来店頻度の高い業態での結果で、美容室や雑貨店のように来店間隔が長いお店にそのまま当てはまるとは限りません。

つまり、アプリという仕組み自体が悪いわけではありません。来店頻度が高く、クーポンや在庫確認など「アプリを開く理由」が日常的にあるお店(大手スーパーやコンビニ、ドラッグストアなど)では、インストールしてもらえさえすれば十分に機能します。問題は、来店頻度がそこまで高くない小規模店舗が同じ土俵で「アプリを入れてください」とお願いしたときに、上記のような離脱が起きやすいという点にあります。

アプリ以外の電子スタンプカードという選択肢

「アプリ不要」を掲げる電子スタンプカードにも、いくつか種類があります。代表的なものを整理します。

LINE公式アカウント型

LINEの「友だち追加」だけで使える仕組みです。多くの方がすでにLINEを使っているため、新規インストールの負担はありません。ただし「友だち追加」というひと手間は残りますし、お客様がLINEを使っていない、あるいは通知過多で友だち追加を避けている場合は対象外になります。

URL・QRコード型(会員登録あり)

QRコードを読み取ってウェブ上の会員ページに登録する仕組みです。アプリのインストールは不要ですが、多くの場合、名前やメールアドレスなどの会員登録フォームへの入力が必要になり、レジ前でその場対応するには時間がかかります。

NFCカード・キーホルダー型

ICカードやキーホルダーにスマホをかざすだけで、ブラウザ上の会員ページが開く仕組みです。TAGPPIもこの型にあたります。TAGPPIの場合、アプリのインストールもフォーム入力も不要で、Suicaを改札にかざす動作と同じ感覚で会員になれる点が特徴です。

選ぶときに確認したい3つの質問

どの仕組みが自分のお店に合うかは、次の3つを自問してみると整理しやすくなります。

  • 常連のお客様は、来店のたびにアプリを「開きたくなる」理由がありますか(クーポンの頻度、在庫確認など)
  • レジ前で会員登録にかけられる時間は、何秒くらいありますか
  • お客様の年齢層や環境に関わらず、全員が同じ手順で会員になれる仕組みが必要ですか

TAGPPIが向かないケース

公平のために、TAGPPIのようなNFC会員証が向かないケースも挙げておきます。

  • 客層の多くがスマートフォンを持たない、あるいは日常的に持ち歩かない(一部の高齢者向け施設、特定の業態など)
  • 来店頻度がそもそも年1回程度で、会員化によるリピート施策の効果が出にくい
  • 既に自社アプリが定着していて、多くの常連がアプリを日常的に開いている状態にある
  • ポイントやクーポンより先に、来店客数そのものが少なく、集客施策が優先度として高い場合

これらに当てはまる場合は、無理にNFC会員証へ切り替えるより、今のやり方を続けるか、別の集客施策を優先したほうが効果的なことが多いです。

まとめ

電子スタンプカードに「アプリが必須」というのは、正確には「アプリ型の電子スタンプカードを選んだ場合の話」です。LINE型、QR登録型、NFC型と、アプリを使わない選択肢も複数存在します。

大切なのは、お客様に求める手間と、来店頻度や客層が見合っているかどうかです。ダウンロード後7日以内にアプリを削除した経験がある人が約62%にのぼるという調査結果は、アプリを入れてもらえたとしても、そこがゴールではないことを示しています。小規模店舗が同じ手法を選ぶ前に、一度立ち止まって検討する価値のある数字だと思います。

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